佐賀市城内にある金武外科肛門科。大腸肛門科・外科を標榜し、大腸内視鏡検査や痔の手術を行っております。

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大腸疾患

大腸ポリープ・大腸がん

病態

大腸ポリープは大腸検査において、多くみうけられる疾患です。大腸の内腔に突出した限局性の隆起で、平らなものから茎のあるきのこのような形まであります。大きさは1ミリ程度の小さいものから、2センチを超すような大きいものまであります。過形成性ポリープ、腺腫、がんなどに分けられます。大腸がんは早期がんと進行がんにわけられます。早期がんはがん成分が粘膜内、もしくは粘膜の一段階下の層までにとどまっているものに対していいます。それ以上(以深)にがんが浸潤したものは進行がんです。ポリープが1センチを超えると、半数近くにがん成分が含まれてくるといわれています。

治療

5ミリ以上のポリープは切除が必要になってきます。ある程度のポリープは内視鏡で切除可能です。ポリープの一部ががん化していても早期がんの場合は、普通のポリープと同様に切除できます。しかし粘膜の一段階下の層にがんが浸潤してしまうと、約10%にリンパ節転移を認めるため、腸を切除したほうが良い場合があります。進行がんは手術が必要になります。

出典:日本消化器病学会ガイドライン 大腸ポリープガイドQ&A

潰瘍性大腸炎

病態

一般的に直腸から連続性に大腸の粘膜が侵され、びらんや潰瘍を形成する原因不明の疾患です。難病の特定疾患に指定されています。病変の広がりにより大きく分けて次の3つに分けられます。粘血便や下痢、腹痛といった症状がでます。
1. 直腸型
2. 左側結腸型
3. 全大腸型

治療

飲み薬、座薬、薬剤の入った浣腸などの薬物治療と食事療法から開始し、作用がない場合は免疫抑制剤や白血球除去療法などを行うことがあります。重症化した場合は大腸の摘出手術を行うこともあります。

クローン病

病態

10代後半から20代に好発します。潰瘍性大腸炎と同じように原因不明の疾患です。難病の特定疾患に指定されています。口から肛門までの全ての消化管、小腸の末端や大腸にできます。粘血便、下痢、腹痛、体重減少といった症状がでます。また痔ろうを合併することがよくあります。

治療

薬物療法および食事療法を行います。肛門周囲膿瘍や痔ろうを合併したり、狭窄をおこしたりした場合は、それに対する治療を行います。また腸管の狭窄による通過障害や穴が開くといった合併症を認めた場合は、手術になることがあります。

虚血性大腸炎

病態

動脈硬化や血栓(血の塊)などにより血流が悪くなり、それに急激な腸の内圧が上昇することによって起こるといわれていました。しかし最近は内視鏡検査の普及によって、20代の若者や動脈硬化などの基礎疾患がない方にも発症することがわかってきており、腸の内圧の急激な変化により血流障害がおこり発症すると考えられるようになってきました。腹痛が急激に起こり、その後に下痢、下血と続きます。下行結腸、S状結腸(左から下腹部にかけて)に多く、粘膜に発赤を認めるだけのものから、潰瘍、壊死におちいるものまであります。

治療

ほとんどは一過性で、腸を安静に保つことで改善します。症状が強い場合は絶食と点滴が必要になりますが、症状が強い場合は絶食と点滴が必要になります。基礎疾患があり症状がひどく、腸が壊死したりした場合は外科的に切除しなければいけないこともあります。

感染性大腸炎

病態

病原体(細菌性、アメーバ性、結核性など)によって腸管に感染を生じ、下痢をはじめ腹痛、嘔吐、下血、発熱などの症状をおこします。口から食事などの摂取により感染することが多く、食中毒もこれに含まれます。性行為により感染するものもあります。

治療

症状により食事を止め、腸管を安静にし、点滴などで治療します。

薬剤性大腸炎

病態

主に抗生物質などの薬剤によって起こる急性大腸炎です。急性出血性大腸炎、偽膜性大腸炎などに分けられます。下痢や下血、腹痛、発熱などの症状がでます。

治療

原因と思われる薬剤の中止、腸の安静で数日で軽快することが多いです。

大腸憩室症

病態

大腸の壁にへこみができるもので、大腸内視鏡検査においてよく見られる疾患です。血管が腸管を貫く所は比較的弱く、そこに腸管内の圧力が高くなり、腸の壁が外側に押し出されることによってできると考えられています。年齢が高くなるにつれて多くなってきます。盲腸、上行結腸、S状結腸に多く見られます。

治療

無症状のことが多く治療は必要ありません。しかし炎症をおこすと腹痛の原因になったり、出血をともなったりします。腹痛時は禁食で腸管を安静に、抗生剤で治療します。出血を伴った場合は、内視鏡にて止血します。手術になることもあります。

過敏性腸症候群

病態

炎症やがんといった器質的疾患がなく、下痢や便秘を繰り返す病態をいいます。神経症の方やストレスなどに、食品や薬物などの刺激が加わって起こると考えられています。腹痛や腹部膨満感がでることがあります。

治療

生活習慣を整えて、ストレスがかからないようにし、薬物療法をします。下痢が主体で腹痛を伴う場合は、腸の動きを抑える薬や整腸剤で治療します。下痢と便秘を繰り返す場合は、ポリカルボフィルカルシウムという、便に混ざって水分の調節をしてくれる薬で治療します。